推定無罪(すいていむざい)は「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という立証責任の考え方に基づいた近代刑事法の基本原則である。狭義では刑事裁判における裁判官の自由心証主義に対する内在的な拘束原理としての意味のみで用いられる。無罪の推定という表現が本来の趣旨に忠実であり、刑事訴訟法学ではこちらの表現が使われるが、近時、マスコミその他により、推定無罪と呼ばれるようになった。
この制度は刑事訴訟における当事者の面を表している。これを裁判官側から表現した言葉が「疑わしきは罰せず」であり、2つの言葉は表裏一体をなしている。「疑わしきは被告人の利益に」の表現から利益原則と言われることもある。
日本では、刑法、刑事訴訟法に明文規定はないが、適正手続一般を保障する条文と解釈される日本国憲法第31条の
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「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」
に推定無罪の原則が含まれると解釈されている。
国際人権規約にも明文化されており(B規約第10条2項a号、同第14条2項など)、これを日本は批准しているため、憲法の下位もしくは法律と同程度の効力によって日本国内に効力がある原則である。
訴訟法的観点でいえば、被疑者・被告人は訴訟の当事者であるという刑事訴訟の当事者主義の原則により、裁判所に対し処罰を求める一方当事者(検察官)の側が被告人の犯罪事実を主張立証しなければならないこととなる。とすると、一方当事者である検察官が被告人の犯罪事実を立証できなければ、当該処罰を求める請求は認められないこととなり、被告人は何らの処罰も受けない(無罪になる)こととなる。